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南海 汐見橋線

そもそもは高野鉄道のターミナル駅であった汐見橋から岸里玉出までの路線です。
高野鉄道は、1898年創立、1907年高野登山鉄道、1915年大阪高野鉄道へ社名変更、1922年南海鉄道へ吸収合併されました。
岸里玉出駅は、もとは南海本線と高野線の接続駅だった岸ノ里駅と高野線の玉出駅を1993年高架化に伴って一つの駅にまとめて出来た駅です。
岸ノ里駅では、汐見橋駅からの高野線が南海線の上を跨いでいたのですが、高架化後は、(大正末期から乗り入れはしていたものの)高野線は難波からしかつながらなくなり 、岸里玉出駅から汐見橋駅の間が孤立した路線となってしまいました。
南海の路線図では「汐見橋線」という路線名は消えてしまっています。(2009年5月)


駅は汐見橋駅から岸里玉出駅まで、間に4駅あります。
・岸里玉出
・西天下茶屋
・津守
・木津川
・芦原町
・汐見橋


at Kishinosato-Tamade sta.

train at Kishinosato-Tamade sta.


Nishi-Tengachaya sta.

Shiomi-bashi sta.


Shiomi-bashi sta.

岸里玉出駅は、二つの駅をくっつけたものですが、高野線に乗ると旧玉出駅の方のホームに降りることになり、南海本線の旧岸ノ里駅の方へは長い連絡通路を歩くはめになります。
汐見橋線のホームは駅の西端におまけのようについています。おおよそ日中は30分間隔といったところで大阪市内にしてはとても本数が少ないところに乗客数も察しがつくというものです。


Kishinosato-Tamade sta.

電車は2200系、ワンマンの2両編成です。この車両は見た目がせせこましい圧迫感のある最近の車両に比べてゆとりが感じられます。それにしてもお客が少ない(-_-;)
高架から下りて地上を 汐見橋へ向かって走ると、下町風な景色が展開します。駅はどこもレトロな感じ。


Ashihara-cho sta.

それでも、駅名の表示や時刻表表示は南海の他の駅と同じデザインで統一されて、"まだ見捨ててないぞ"という感じにも受け取れます。


汐見橋駅のホームはなにかほのぼのとした雰囲気です。
汐見橋駅は東西を走る千日前通と南北を走る新なにわ筋との交差点の南西の角にあります。
交差点の東を難波方面から来た高速道路は ここで南に曲がります。
交差点のすぐ北で、新なにわ筋が東から西へ流れる道頓堀川を渡る橋が汐見橋です。
新なにわ筋の北からは交差点の下で東に曲がり難波へ向かう地下鉄千日前線が通っています。一つ先の交差点のすぐ東に桜川駅があります。その東の次の駅はもうなんば駅です。
もっとも、阪神西大阪線西九条駅から近鉄難波駅を結ぶ西大阪高速鉄道が作る西大阪延伸線が2001年に認可されていて、この延伸線の駅の一つが汐見橋に出来ることになっています。


Shiomi-bashi sta.

改札口上に掲げられた南海沿線案内図。
文化財としての風格が漂う。


Shiomi-bashi sta.

まだ可能性がありそうな汐見橋駅ですが、コンクリートむきだしの駅舎は、不格好ながら歴史を感じさせる佇まいで今のところはほのぼの感に包まれて静かです。


Shiomi-bashi sta.

9Shiomi-bashi sta.


9 Shiomi-bashi sta.

2009年5月。
一時間に2本しか電車が来ないのでは、この駅は見捨てられたような感じがする。
軌間が異なるので阪神なんば線との相互乗り入れは難しいが乗換えをスムースにする策を講じれば南海沿線から神戸方面へは格段に便利になるのだけど…


2009年現在、頼みの綱はなにわ筋線構想。新大阪からなにわ筋を地下で南下し汐見橋線につないで関空までという計画だがどうなることやら。
南海は狭軌なので大阪周辺ではJR西日本としか相互乗り入れの選択肢はないが、あまり利用されそうもない路線になりそうに思える。