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氷室



京都府京都市北区西賀茂氷室町。実に美しい里。
氷室は陽のあたらない場所に掘った氷を保存しておく場所だが、ここの氷室は夏に宮中で使用された氷の保管場所だったという事で格が高い。当然夏でもあまり気温が上がらない場所を選んだろうが、ここの夏の日中がかなり暑いのは地球温暖化のためなのだろう。

能に宮増作?といわれる「氷室」という曲がある。舞台は丹波の八木町にあった氷室だが後シテとして出てくる氷室明神が立派過ぎてどうも山間の里で氷室を守る神様のイメージにあわない。むしろ前シテの翁のイメージが、冬になるとさぞかし寒かったであろう生活の辛さを反映しているように思われる。宮内省主水司(もいとりのつかさ)管理下の御料ということで、みすぼらしい格好は相応しくないということか。
宮増は室町時代後期の人だが、今ひとつよくわからない作者。鞍馬天狗、大江山など見た目が派手な作品が多いようだが、氷室はストーリーとしてはむしろ地味と言える。
氷室跡には、熊の侵入防止のためなのか電流柵があり、あえてそれを乗り越える気もしなかったので行かずじまいに終わった。
氷室神社については京都市の説明のとおりだが、拝殿は「後水尾天皇の第二皇女が近衛家に降嫁した時に造営された御殿内に建っていたもの」と書いてあるが、ここへ寄進したのは徳川秀忠の娘で後水尾天皇の中宮となった東福門院和子という事で、ここらに徳川幕府と朝廷の軋轢の気配を感じてしまうのは、考えすぎかな?


氷室神社