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豊郷

犬上の君屋敷跡公園

犬上の君屋敷跡公

古代の豪族・犬上氏の屋敷跡と伝わる場所。犬上君御田鍬いぬかみのきみみたすきは遣隋使や遣唐使として派遣された人物として名が残っている。
『日本書紀』巻第廿二 推古天皇廿二年 六月丁卯朔己卯、遣犬上君御田鍬・矢田部造闕名於大唐。、廿三年秋九月、犬上君御田鍬・矢田部造、至自大唐。百濟使、則從犬上君而來朝。
また律令制下での郡領(郡司の中でも上位の者で土地の有力者が多い)として、平安時代の記録に残っている。

犬上神社

犬上神社

祭神は犬上氏の祖とされるイナヨリワケと父のヤマトタケル。

『古事記』では、此倭建命、又娶近淡海之安國造之祖意富多牟和氣おほたむわけ之女・布多遲比賣、生御子、稻依別王次稻依別王者、犬上君、建部君等之祖。と出てくる。
『日本書紀』では、初日本武尊、娶兩道入姬ふたじのいりびめ皇女爲妃、生稻依別王、次足仲彥天皇、次布忍入姬命、次稚武王、其兄稻依別王、是犬上君・武部君、凡二族之始祖也。と記されている。(上の犬上の君屋敷跡公園の碑には、これが記されている。)
社伝では、イナヨリワケがこの地の農事振興に努め、土地の人から「稲神」と称えられ、それが「イヌカミ」という地名の語源だとしている。

豊郷小学校

丸紅の役員だった古川鉄治郎の寄附で昭和十二年(1937年)に建てられた。ヴォーリズ建築事務所が設計した。この建物は’00年代に町長が解体の方針を出し、町議会も承認したが、反対運動の結果、保存される事になった。2013年に「旧豊郷小学校校舎」として国の登録有形文化財となった。

豊郷小学校内に豊郷町立図書館があり、そのために訪れた。豊郷町立図書館は校舎の向かって左端にあり、スリッパに履き替えて入るという公立の図書館には珍しい形態。OPACの検索で「該当結果なし」だった『豊郷町史』が本当にないのか確かめに行ったのだが、やはり’60年代に作成された『豊郷村史』しかなかった。滋賀県の市町村にしては珍しく町史編纂に消極的というのか、村史で十分と判断したのか、ごたごたのあった小学校に相応しい独自性?が感じられる。