東近江市合戸町
野神さん
「牛を飼っている農家が、五月の節句に牛を連れて野神に参った。このころはちょうど田植え前で、菖蒲とヨモギとをひと括りにし、これに餅を二つ持加えて野神さんに供え、そのうちのひとつを持って帰った。」*1
八幡神社
誓安寺
東近江市上南町(かみなちょう)
野神さん
牛野神と人野神という二つの野神をそれぞれに祀るのだそうで、こちらは牛野神。「茄子の薄切りと米粉をこねて作った団子をイバラの葉に載せたものとを供えに行った。」
「人野神には特に卿神体はないのだが、集落内を当番の宿が回っていて、トビウオの干者とササギの炊いたものとを宿の家の神棚にお供えする。」*5
宮川町
杉之木神社にある野神さん
法教寺川 の西対岸にある杉之木神社から南に石段を下ったところにある。八月二十七日に竜王町山之上の杉之木神社の境内近くにあるもう一カ所の宮川の野神をお祀りする。この場所は昔は西畑と呼ばれる宮川の畑地があったところで、ここでは昔から村の若者たちが集まって力比べをしていたといわれている。この日には、村のオトナ二人とタイコと呼ぱれる副杜守とが参拝して酒と洗米を捧げ、オトナ同士が一番だけ相撲の取り組みの格好をする。ただし勝負はつけずに来年頂けとする。
*2
なお、七月二十七日に野神の森で子供相撲が行われるとも書かれている。
引用文献・参考資料
- *01 蒲生町史編纂委員会編『蒲生町史 第三巻 考古・美術・建築・民俗』蒲生町発行 2000 626頁
- *02 蒲生町史編纂委員会編『蒲生町史 第三巻 考古・美術・建築・民俗』蒲生町発行 2000 631頁