大佛鉄道記念公園
関西鉄道大佛線(大佛鉄道は通称)については、Wikipediaを参照。
奈良市法蓮町の野神
うちのぼる 佐保の河原の青柳は 今は春べと なりにけるかも
(『万葉集』巻八(1433番))の歌碑
奈良市桂木町の野神古墳
山崎時叙「稲荷信仰と山の神・野神」(五來重編『稲荷信仰の研究』山陽新聞社 1985 所収)は、奈良市南京終町桂木の野神は、野神古墳という円墳上に祀られたもので別に稲荷とも言って信仰され社には陶器製の狐像が奉奏されている。又昔はこの古墳に狐が悽んでいたといいこの稲荷神は狐を祀ったものという。祭日はこの地方の野神と同じ新暦六月五日で元来は旧暦の五月五日に祀っていた。祭りは現在桂木団地の人々が行うが元は南京終町の農家が祀ったもので古墳上で車座になって会食したという。このように桂木の野神は古墳で祀られた野神であって同時に古墳で祀られた稲荷神である。古墳で祀られる山の神や稲荷神は第一章、古墳と山の神・野神で述べた如く、古墳の近くに住む人々が祭祀の場所として古墳を利用したもので古墳で祀られる山の神や稲荷は祖霊神としての性格があると考えられたからこの桂木の野神も又祖霊神的な野神とみなされるものである。又大和の野神は麦や稲の殼霊神であることは疑いないので、殼物は先祖が子孫に与えるものという信仰からも大和の野神が殼霊神であって又祖霊神でもあるという性格をもっている事が言える。更に桂木の場合は開口した石室に棲んでいた狐を稲荷として祀ったと伝えているから狐が化身動物となる食物の神としてのケツネを祀っていることになる。従って桂木の例は野神を通して、食物を与えるという祖霊神と食物の根源であるケツネ神つまり後の稲荷神が元は一つであることを知ることが出来るものである。(686~687頁)
としている。この見解に全面的には賛同できないが、古墳上の野神と稲荷(現状の外見からは稲荷の気配が感じられないが)という面白い関係を示している。
奈良市南京終町の野神
だたっぴろい空き地に残された木立の中の野神さん。奈良運輸支局(自動車の登録・車検場)の跡地でフェンスで囲まれて入れない。