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月読神社

月読神社

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月読神社

月読神社


月読神社

月読神社


月読神社

月読神社


松尾大社の境外社ということになっているが、下の案内板の説明のとおり独自の歴史を持っている。
日本書紀の巻十五に
《顕宗天皇三年(丁卯四八七)二月丁巳朔》三年春二月丁巳朔 阿閉臣事代銜命 出使于任那 於是月神著人謂之曰 我祖高皇産霊有預鎔造天地之功 宜以民地 奉我月神 若依請献我  当福慶 事代由是還京具奏 奉以歌荒樔田 〈歌荒樔田 在山背国葛野郡〉壱伎県主先祖押見宿禰侍祠(http://www.j-texts.com/jodai/shoki15.html)という記述がある。これが左の京都市の説明の根拠だろう。

月読神社


月読尊(ツキヨミ、ツクヨミ、月読尊、月神、月弓尊、月夜見尊)は『古事記』や『日本書紀』に出てくるがイザナギとイザナミから生まれた三人の子供の第ニ子にあたる。第一子はアマテラスで、第三子がスサノヲ。
『日本書紀』では、神代紀本文の他に「一書曰」と別の出典からの話も載っていて、アマテラスは高天原、ツキヨミは日と並んで天(これは通常、アマテラスと共に天を治めよと解釈されている)、スサノヲは海とか、アマテラスは日でツキヨミは月、アマテラスは天・ツキヨミは海・スサノヲは地といった役割分担が書かれている。
『日本書紀』の一書曰の内、第十一ではツキヨミはアマテラスの言いつけで葦原中国の保食神(うけもちのかみ)を訪ねる。保食神は歓待してくれるのだが、食べ物を口から出すのでツキヨミは怒って保食神を殺してしまう。アマテラスはお前は悪神だ、もう会いたくないと言って、ここで昼の日と夜の月が別れたことになっている。
『日本書紀』顕宗天皇三年に書いてある高皇産霊は、壱岐の高御祖(たかみおや)神社に祀られている。山背国葛野郡の歌荒樔田が何処を指しているのかはよくわからない。
一方、『山城国風土記』(逸文)には月読尊 天照大神の勅を受けたまはりて 豊葦原の中つ国に降りて 保食神の許に到りましき 時に 一つの湯津桂の樹あり 月読尊 乃ちその樹に倚りて 立ちたまひき その樹のありし所を今桂の里となも號ふと、ツキヨミが高天原から降りてきたとき、湯津桂の樹に依ったとし、これが「桂里」の名の起源としている。
月を読むというのは 稲垣足穂的なイメージではなくて、月齢・日数を数えることだろうから農業・食物=保食神と関係しているように思えるし、一方、月と汐の満ち引きとの関連から海の神様でもあったようだ。壱岐の神様がここまで来るというのは玄界灘、瀬戸内海、淀川、桂川と遡ってきた船を操る人々の存在を感じさせる。そう言えば、貴船神社も

浪花の津(大阪湾)に黄色い船に乗った女の神様が現れ、「われは玉依姫なり、この船の留まるところに社殿を建てて、そこの神様を大事にお祀りすれば国土を潤し、庶民に福運を与えん」とのお告げがあり、その船は淀川、鴨川をさかのぼって水源の地・奥宮辺りの川のそばから水の湧き出るところに船を留め、そこに御社殿を建てたと伝えられています。(http://kibune.jp/jinja/)

ということで、かなり昔から大阪湾から淀川経由の水上交通が重視されていたことを窺わせる。


聖徳太子社と縁結びの「むすびの木」


月読神社

月読神社


月延石

解穢の水。有難い水だ。


月読神社

月読神社


御船社。
天鳥船神(あめのとりふねのかみ)=鳥之石楠船神は名前からして船や水運の神様だと思われる。渡御安全祈願祭も行われる。


月読神社

月読神社


京都市の説明では壱岐の月読神社を勧請したとなるが、桂という名の地に月読神社があるというのは、別の想像も楽しそうだ。
それは、月に桂の木が生えているという中国の伝説があるからで、遅くとも平安時代にその話は日本に伝わっていた。従って、平安時代にこの地に月の神様として月読神社が勧請されたというのは、ちょっとロマンチックだが、組み合わせとしては悪くないのでは?
能の『羽衣』は三保の松原が舞台だが、衣を返してもらった天女は漁師の求めに応じて、天人の舞楽を見せる。
「白衣黒衣の天人の。数を三五にわかつて。
一月夜々の天乙女。奉仕を定め役をなす。」
 シテ「我もかずある天乙女。」
 地「月の桂の身を分けて」
と舞う。
月には黒い衣と白い衣の着た天女が各々15人おり、毎晩その内15人が交代で舞う。白の衣を着た天女の比率が高くなると月が満ちて行き、黒の衣を着た天女の比率が高くなると月は欠けてゆく。
地謡は続けて「春霞。たなびきにけり久かたの。月の桂も花やさく。」と謡うが、これは
「春霞 たなびきにけり 久方の
 月の桂も 花や咲くらむ」(紀貫之 後撰集 春上 一八)の本説取り。
このように桂という地名と月から連想され膨らむイメージはなかなか優美だ。

押見宿祢霊社遺跡

押見宿祢霊社遺跡碑

押見宿祢霊社遺跡碑