奥丹生(ダム湖に沈まなかった村)
奥丹生七ヶ村(半明、針川、尾羽梨、鷲見、田戸、奥川並、小原)の内、半明、鷲見、田戸、小原の4村は、丹生ダム建設計画により立ち退きし廃村となった。しかし、ダム建設は2016年に正式に建設中止となった。
鷲見の八幡神社は東野の八幡神社に合祀された
鷲見の地名発生伝承では、鷲(雌雄とも)が巣とする石窟があった。椿坂か西山の郷士が射殺したが、その石窟に岩屋神社として鷲を祀ったという。その場所は、高時川の対岸の土手を登ったところ。途中に、かなりけわしい坂道、岩のつきでた難所があり、30分くらいで到着する*2。他村の野神祭は8月23日だが、鷲見では毎年8月25日に岩屋神社で野神祭が行われていた。しかし、岩屋の中の石祠に安置されたご神体は、一つの石に陽刻された三仏で、中央は不動明王とされている。そのため廃村の際に、西念寺の住職が東野の移転先にお堂を建て安置した。28日が不動明王の縁日であることからも、現在の西念寺では不動明王の縁日行事と解釈しているようにも思われる。
野神さんは東野の西念寺のお堂に移った。
日吉神社跡
廃村時に、東野の八幡神社に合祀された。
参考文献
- *01 吉田一郎『地図から消えた村』湖北アーカイブ研究所 (発売元)サンライズ出版 2022.3.15
- *02 余呉町教育委員会『高時川ダム建設地域民俗文化財調査報告書』余呉町教育委員会・建設省高時川ダム工事事務所 白水社 1991.3.1