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NASの導入とNetaTalk

2001年年末にWebサーフィンをしていて、DOS/Vパラダイスの法人向けページにPrimeNAS PyxisというNASを見つけ、思わず買ってしまいました。(というと衝動買いのようですが、ずっとこの手の物を探していたのです)
NAS(Network Attached Storage)は一応OSは入っていますが、要するにディスクです。Ethernetのポートが付いているので、これをHUBにつないで他のコンピュータから使います。OSといっても基本的にディスク共用するための仕掛けが付いているだけのシンプルなものでいわゆるファイルサーバと比べるとサーバとしての管理がほとんど不要で、使い勝手は安価なブロードバンドルータよりも簡単なくらいです。
PrimeNAS Pyxisの内の80GBX2台でミラーリング(RAID1)するタイプのものを購入しました。この製品は台湾の PROMISE Technology, Inc.のConnectStorⅡ という製品をちょっとだけ組み立ててくれた製品です。「ちょっとだけ組み立ててくれた」というのは、ConnectStorⅡは自分でHDDを筐体に取り付けねばならないのですが、それをやってくれているので着いたらすぐに使える状態にしてくれてある-ということです。実際、夕方に配達されてブラウザからの設定も含めて30分以内で稼働しました。

マニュアルも含めて、MS-Windowsを使う事を前提に作ってある感じで、Windows2000からはIPアドレスを指定して検索をし、それにネットワークドライブの割り当てをしてやればすぐに使えるようになりました。

他のOSから使うには、若干手間取りました。

まずLinuxですが、これはNFSを使う事になります。
NASのブラウザからの設定でNFSで接続を許可するマシンのIPアドレスとホスト名を登録できます。しかし、Linux側からの mount -t nfs nn.nn.nn.nn:/ /mnt/nas では、マウントを拒否されてしまいます。既に持っているLinux本のネットワーク関係の説明の中に、showmountコマンドを見つけ、これに助けられました。

# showmount -e nn.nn.nn.nn      <--- nn.nn.nn.nn はnasのIPアドレス>
Export list for nn.nn.nn.nn:
/mnt/share xx
/mnt/share yyyy
/mnt/share zzzzzz

これでNFSサーバとしてNASがEXPORTしているのが/mnt/shareとわかりましたので、mount -t nfs nn.nn.nn.nn:/mnt/share /mnt/nas によりマウントできました。

このNASは、AppleTalkをサポートしていません。
Macから直接アクセスできないので、NFSでNASをマウントしたLinuxマシンにNetaTalkを入れて見えるようにしようと考えました。
netatalkのパッケージを入れればよいと思ったのですが、インストールしてもatalkdが、SOCKETなんたらのエラーメッセージを出して立ち上がってくれません。Web上の資料を見て、AppleTalkを扱うにはカーネルの再構築が必要だと気付かされました。更に、(Debian GNU/Linuxでは)/etc/netatalkディレクトリにあるatalkd.confでのNICの指定とか、AppleVolumes.defaultでの共有ディレクトリの指定などを、これもWeb上の情報を参考に設定し、やっとiMacから見えるようになりました。
Macでは、まずコントロールパネルのAppleTalkで、AppleTalkを使えるようにします。次にセレクタを起動してAppleTalkのアイコンをクリックするとAppleTalkのウィンドウが開きます。ここでAppleTalkを有効にしてやるとネットワーク上にある仲間のマシンを一覧表示します。その中にNetaTalkを立ち上げたマシンも見えていればOKです。ここで、LinuxのユーザIDとパスワードを入力して接続できますが、これだとユーザのホームディレクトリ以下しか見えません。Macユーザ用のユーザを作るべきかもしれませんが、一応、共有したいNASのディレクトリ /mnt/nas へシンボリックリンクを張って使えるようにしました。なお、リンクされるNASのディレクトリには当然Macからログインしたユーザのアクセス権が必要です。

そもそもNASを何に使うのか

個々のPCのディスク容量が少ないのでとか、ファイルサーバとしてファイル共有するとか、ミラーリングでデータを守るとか、色々、家庭でNASを持つ理由は考えられますが、具体的に何に使っているのかというと、それは、「MP3ファイルの格納場所」としてです。
我が家には千数百枚のLPや、それにシングル盤やオーディオカセットがあって、これらアナログ音源はデジタル化時代に取り残されてしまって、極めて稼働率が悪くなっています。そこでこれらをMP3ファイルへ変換してPCやMP3プレーヤで聞けるようにしようという大作戦を始めたのです。アンプから直接PCの入力端子へつないで変換してしまう手もあるでしょうが、それぞれの置き場間の距離とかで、一旦CD-RWに焼いた物をMP3へ変換しています。
View from Windows File Manager
いまのところ、PCで再生している音をオーディオアンプへつなぐ必要性は感じていませんが、そうするためのPCは確保してあります。これに無線LANカードを付けてMP3プレーヤで再生した音を外部出力からアンプへつないでやればよいという事になります。
そう言う訳で、LPを取り出してくるようになると、今では結構お宝ものもあって、久々に聞き入ってしまうことも多いのです。

後日談

しかし、買って2年経たないうちに、機械は遅かれ早かれ死ぬのだという事を思い知らされました。
2003年の夏はあまり暑くなかったのですが、熱暴走かしら?その後始末はこちらへ