西明寺
2011年8月
槙尾山西明寺は神護寺の影でちょっと可哀想な存在。
清滝川のかかる橋は指月橋とお洒落な名前。
天長年間(824年~834年)に智泉大徳が神護寺の別院として創建したとか。建治年間(1175年~1178年)に和泉国槙尾山寺の我宝自性上人が中興したのだそう。
橋の脇の石柱には「槙尾山聖天堂」と書いてある。聖天さん=歓喜天像はないが、本堂の向かって右側の脇陣に鎌倉時代後期作と言われる愛染明王像はある。これはなかなかの名作だと思う。
小振りだが、なかなか雰囲気のよい寺だ。
桂昌院の寄進で建てられたという本堂。 桂昌院は徳川家光の側室で徳川綱吉の母。西陣の八百屋の娘という話で、京都近郊に桂昌院の寄進という寺院の建物は多い。
中央が内陣で、左右に脇陣=外陣という構造。
本尊は釈迦如来立像。嵯峨釈迦堂の清凉寺式の衣の襞の流れが美しい像だが高さは51cmと小振りな像。葵の紋と桂昌院の紋とが付いた厨子の左右の脇侍、文殊菩薩と普賢菩薩の絵もなかなか良い。
石灯籠と宝篋印塔がやたらと多い。
客殿と右は本堂。客殿は普段は中には入れないが、普通の広間。
僧侶の墓か。
ここらの清滝川はの水の色の深さは格別だ。