鞍馬
2017年1月、雪の重みで鼻が折れた鞍馬駅前の天狗だが、3月には復旧(恢復?)した。
この天狗のイメージは鞍馬寺に入ると由岐神社のお御籤に見られる程度で、全く希薄だと言ってよい。
鞍馬寺
現在の鞍馬寺は鞍馬弘教という宗教法人の総本山である。鞍馬弘教は信楽香雲が昭和二十二年(1947)に天台宗から独立して立教開宗した。毘沙門天王・千手観世音菩薩・護法魔王尊を一体とした「尊天」を本尊とする。
仁王門、修養道場
放生池
仁王門から由岐神社までは神仏習合を目の当たりにできる。
放生池の滝は、説明板もちょっと匂わせているように、滝行の場だったような感じがする。
町石。最初が八町の町石なので本殿まで九十九折参道を歩いて約1kmということになる。
吉鞍稲荷社
社殿よりもこういうお塚に惹かれる。上の写真の扁額からも明らかだが、豊川系吒枳尼天のお稲荷さん。
魔王の滝と鬼一法眼社
『義経記』第二巻の「鬼一法眼の事」(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1287993?tocOpened=1 コマ番号=30~)によると、鬼一法眼は一条堀河に住む隠陽師(陰陽師)法師(一条戻橋、晴明神社のそばというのがいかにももっともらしい)だったとされる。中国から伝わった兵法書『
由岐神社
10月22日夜に行われる「鞍馬の火祭」は、由岐神社の例祭。2017年は同日日中に行われる「時代祭」は台風21号の接近で中止となったが、「鞍馬の火祭」は祭事なので決行された。2018年は、やはり21号だった台風により、(1)氏子の家に倒木被害がある、(2)境内も倒木が多く片付けが追いつかない、(3)叡電の貴船口~鞍馬間が10月末まで運休、という理由で中止になった。
豊臣秀頼が寄進した懸け造りの割拝殿。国の重文(指定番号:00441)
大杉社
大杉社
白長龍神と白長弁財天社と、龍神と弁財天に同じ「白長」が付いているのが興味深い。白くて長いのは白蛇のことだろうが、竹生島弁財天の頭上の宇賀神を思わせる。魔王の滝にある2基のお塚のもう一方である白姫龍神は岩間寺では泰澄が感得した白山妙理大権現として勧請され祀られている。白長龍神と白長弁財天社が夫婦の神々だとすると、どういうご縁があったのだろう。
由岐神社本殿
石造狛犬。国の重文(指定番号:00441)
義経公供養塔
牛若丸が住んだとされる東光坊の跡に昭和十五年建立。
箏曲稚児之桜の碑。
「稚児桜」は大阪の大検校・菊武祥庭が明治末か大正初めに書いた「明治新曲」。
鞍馬の寺の稚児桜 咲けや四海にかほるまで
昼は読経を務むれど 暮るれば習ふ太刀つるぎ
思ふ源氏の再興を 天満宮に祈らんと
夜ごとに渡る五条橋 笛の音高く夜は静か
思ひもよらずかたえより 出でてさへぎる大法師
太刀を給えと呼ばはれて 太刀欲しくばよりて取れ
さらば取らんと打振ふ 薙刀遂に落されて
今ぞひたすら降参と 誠あらはす武蔵坊
さては汝が弁慶か 牛若丸にましますか
主従の契り深かりき 鏡は清し加茂の水
福寿星神。りゅうこつ座のカノープスのこと。
中国では見ると長生きできるとされていたらしい。
開運毘沙門天
ケーブル多宝塔駅を出た右側にあるお社。多宝塔再建時に掘り出されたという毘沙門天像を祀ってある。
多宝塔
鞍馬から鞍馬寺に上る観光客のかなり多くが九十九折参道を歩き、本殿ー不動堂ー魔王殿と巡り貴船側の西門に下ると思うので、そうするとケーブルカーに乗る機会がなく、多宝塔を見るためにわざわざケーブル多宝塔駅まで行く気もしない……ということで、意外と穴場かもしれない。
弥勒堂
ケーブル多宝塔駅(山上駅)から歩いてくると九十九折参道に出る手前なのだが、九十九折参道を上がってくると、わざわざ右折してケーブル多宝塔駅への道に入らないと見つけられない。
【鞍馬寺七福神】
恵比須尊・大黒天:双福苑
毘沙門天:鞍馬寺本殿金堂
弁財天:巽の弁財天社
布袋尊:弥勒堂
寿老人・福禄寿:福寿星神